2階への階段は家の中央で尚かつ吹き抜け部分に配し家全体の動線と対話を意識してプラン致しました。広く明るいリビングはできるだけ余分なものはデザインせずシンプルさを強調し、住む方のセンスでカラーを出して頂けるよう配慮致しました。

殺風景になりがちなトイレも上質な素材を組み合わせることで優しい感じに仕上げました。あくまでも清潔感を大切に白を基調とし、すっきり収納できるよう壁面に収納家具を造りました。こういう基本形のプランはいつまでも新鮮でいいですね。

対面型キッチンの難しいところはキッチンの収納とダイニング側から見た美しさだと思います。いつもきれいに見せる見せ方が大切です。その為にはダイニング側とキッチンのイメージを合わせる事と色や素材を極力少なくする事そして見せる所と見せない所をはっきり分ける事が必要です。

1階は全て薄いベージュ系のタイルを敷きつめて床暖房にしました。南側に続くテラスにはイタリー製のテラコッタタイルを敷き手摺りの素焼瓦とのバランスを考えました。２階にはこれと同サイズのバルコニーがあります。広いテラスドアはスウェーデン製トリプルグラスサッシで断熱性も抜群。

白いタイルカウンターにKOHLER社の白いボールを埋め込み下部には掃除道具が収納できるよう、そして右壁面にはタオルや化粧品などがたくさん収納できるように致しました。今回のお宅のインテリアは家中の統一感を大切にしタイルや木の色合い照明のイメージ等も全て揃えております。

お気に入りの一つにキッチン、家事室（収納）、洗濯室がグルグル廻れて洗濯室の近くに洗面室とバスルームが隣接しているというものがあります。まさしくこのお宅はそのプランを採用して頂きました。キッチンのドアの向こうはクローゼットと家事室を兼ねたお部屋です。奥様の動線は住宅をプランする上でとても重要です。いつも私の家のつもりで取り組みます。

今回イタリー製ステンレスフードを取り寄せて使わせて頂きました。私はよくフードを設計して造ってもらったりもしますが、既製品で良いものが本当は一番だと思っています。煙や臭いがダイニング側へ行かないよう背面には壁をつけたのでお掃除もし易くなりました。美しさばかりを追求するのではなく、そこでの生活を重視したプランが大切です。

リビングから見た吹き抜け部分に2階バルコニーへ続くホールを長くとりました。壁面にお気に入りの絵を飾って頂きちょっとしたギャラリーとして使われては如何でしょう。立派な高い絵でなくても、お子様のご自慢の絵やお習字等を額に入れてあげて．．．なんて素敵だと思いませんか。きっと訪れたお客様が見つけられ、会話が弾むこと請け合いです。